臍帯の質には個人差があるの?

臍帯の質や量などはお母さんと赤ちゃんによって違いがあるのでしょうか? 一般財団法人 ユニバーサルコード 委員長で東京大学医科学研究所附属病院 セルプロセッシング・輸血部 准教授、同部長の長村 登紀子先生に伺います。

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臍帯は通常2500g~3500gの赤ちゃんから採取

東京大学医科学研究所附属病院臍帯血・臍帯バンク(IMSUT)においては、臍帯の採取は帝王切開の出産に限っています。また、2500g~3500gの大きさの赤ちゃんから採るようにしています。

経腟出産(自然分娩・産道を通って出てくる出産)の場合、臍帯に雑菌がついてしまう場合が多く、そのために帝王切開出産のときを的に確定できるので、臍帯を採取し、保管するというフローの準備も併せて整えることができます。

ただ、帝王切開出産の場合、最多でも1人のお母さんで3回程度まで、と上限があるので、臍帯の取得頻度をより増やすには、自然分娩でも臍帯を取得できるような環境づくりも考えていくといいかもしれませんね。近い将来、臍帯の薬剤への活用などのニーズが広がれば、より多くの臍帯が必要になると予想されますしね。

健康な臍帯を作るには?

妊婦さん自身が健康であることは、当然臍帯が健やかになることにつながります。

まず、栄養バランスの取れた健康的な食生活をこころがけましょう。

妊娠中には特に葉緑素、鉄、葉酸、カルシウム、ビタミンDなどの栄養素が必要です。
野菜、果物、全粒穀物、健康的な脂肪、良質なタンパク質も摂るようにしましょう。
また、妊娠中は水分の需要が増え、また、悪阻などの影響もあり、脱水傾向になります。十分な水分量を摂ることが重要です。

適度な運動をすることも、妊婦さんの体力や心肺機能の維持につながります。ただし、医師と相談の上、適切な運動を行うようにしてください。

また、十分な休息と睡眠も重要です。妊娠中はホルモンの変化などによりストレスを感じることが多いかもしれませんが、ストレスを和らげる方法を見つけることが重要です。

まずは健康に出産を迎えることが第一です。定期的に産婦人科医との予約を入れ、胎児とお母さんの健康状態を確認しながら、医師のアドバイスに従ってください。

<監修医師>
一般財団法人 ユニバーサルコード 委員長 
長村 登紀子先生

東京大学医科学研究所附属病院 セルプロセッシング・輸血部 准教授、同部長

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